徹夜でがんばることには独特の高揚感がある。
しかし後から振り返るとミスも多く、効率が悪いことは、誰もが経験上、分かっていると思います。

睡眠不足だとうまく頭が回らないのは、決して気のせいではありません。
「睡眠時間が5時間を切る日が続くと、脳はチューハイを数杯飲んだときと同じくらい機能が低下する」と、睡眠研究の第一人者として知られる睡眠評価研究機構の白川修一郎代表は指摘しています。お酒は免疫力が落ちる、脳が老化するなど健康以外に、脳と睡眠にも悪影響を与えます。

それに留まらず、「睡眠不足は体を壊す」ことが疫学的にも確認。
まず、免疫力が落ちる。5万6953人の女性を対象にした調査によると、睡眠時間が5時間以下の人は8時間前後の人たちに比べて1.39倍、肺炎になるリスクが高いです。

人の身体は、運動や活動によって疲労したり、細胞にダメージを負ったりするが、睡眠中に成長ホルモンが出てそれらを修復するようにできています。
睡眠不足だと、成長ホルモンの分泌が少なくなるため十分な修復が行われず、その結果、老化が進みます。

また、脂肪や糖の代謝が悪くなり、交感神経の緊張が続くため血圧も上がる。実際、睡眠時間が6時間以下の人は肥満、糖尿病、心臓病の有病率が高い。
さらに、「うつ病、事故、自殺のリスクも高くなる。睡眠時間が6時間を切るのはたいへん危険」です。

4419人の日本人男性を調査した自治医科大学の研究から、睡眠時間が6時間以下の人は7~8時間の人に比べて死亡率が2.4倍高くなるという報告もあります。

睡眠不足は老化を進め、寿命を縮めます。「よく眠る」ことは立派なアンチエイジングであり、サプリメントなんかよりも大きな効果が期待できるし、お金はかかりません。
どんなに忙しくても、なるべく睡眠時間は削らないようにして、6時間以上眠ることを心がけてほしい。

睡眠では、時間の長さとともに「眠りの質」も大事だ。「眠りの質」を上げるためにはどうすればいいのでしょう?

1. 酒、タバコ、コーヒーを控える

コーヒーや紅茶に含まれるカフェインが眠りを妨げるのは常識。タバコのニコチンには興奮作用があり、同じく入眠を妨害する。アルコールは眠気を誘う気がするが、「寝つきは良くなるが、夜中に目が覚めやすい。レム睡眠(深い眠り)が減り、交感神経が興奮するので翌日に疲れが残る」

2. 運動は朝よりも夜がいい

運動は朝よりも夜がいい。白川代表によると、「人間の体温は就寝から19時間後に最も高くなる。このとき運動してさらに体温を上げると、眠るときの体温の下がり方がより大きくなって熟睡しやすくなる」という。午前1時にベッドに入るなら午後8時前後ということ。帰宅時に最寄り駅より1駅手前で降りてウオーキングを行うのも有効。

3. 寝る前にパソコンやスマホを見ない

夜になると、脳の松果体から眠気を誘うメラトニンというホルモンが出る。パソコンやスマートフォンのLEDが出すブルーライトはメラトニンの分泌を抑え、眠気を追い払ってしまう。朝は窓を開けて太陽の光を浴びよう。メラトニンの分泌が抑えられ、体内時計を正常化してくれる。

4. 就寝前の入浴はぬるめのお湯で

就寝前に入浴する場合、40℃ぐらいのぬるめの風呂にゆっくりと浸かるのがいい。熱い風呂は交感神経が興奮して目が冴えてしまう。

5. 睡眠時間を確保できないときは昼寝でフォロー

仕事が忙しく、夜の睡眠時間が確保できないときは昼寝で補うといい。
30分以上眠ると夜の睡眠が浅くなってしまうので、10分から20分を目安にしよう。

睡眠の質も量もぐーんとアップする快眠成分ベスト3!


・トリプトファンを多く含む食材 牛乳、バナナ、チーズ、大豆製品、鶏むね肉、牛肉、ナッツ類、カツオ、マグロ、卵など
・GABAを多く含む食材 カカオ、玄米、トマト、粟・キビ・大麦などの雑穀、ブロッコリースプラウトなど
・グリシンを多く含む食材

①トリプトファン

牛乳、バナナ、チーズ、大豆製品、鶏むね肉、牛肉、ナッツ類、カツオ、マグロ、卵など

人間の体内で産生できず、食物から摂取しなければならないアミノ酸が、“必須アミノ酸”。
トリプトファンは9種類ある必須アミノ酸のうちの1つで、神経伝達物質であるセロトニンの原料になります。
セロトニンが不足すると、精神的に不安定になって気分が沈みやすくなり、不眠の原因に。

さらに、セロトニンからは、別名“睡眠ホルモン”と呼ばれるメラトニンが作られます。
メラトニンは、睡眠のリズムを整えてくれるので、その点からも快眠には欠かせない成分です。

②GABA

GABAを多く含む食材
カカオ、玄米、トマト、粟・キビ・大麦などの雑穀、ブロッコリースプラウトなど

アミノ酸の一種であるGABAは、脳や脊髄で働く抑制系の神経伝達物質。
脳内の血流を活発にして、酸素の供給量を増やしたり、脳細胞の代謝機能を高めたりしてくれます。
さらに、興奮を抑えて、心身をリラックスさせる働きがあるので、不眠に効果的です。

③グリシン

グリシンを多く含む食材
エビ、ホタテ、イカ、カニ、カジキマグロなど

心地よい眠りにつくには、手足の末端から体温を放熱し、深部体温を下げる必要があります。
そのときに有効なのが、深部体温を下げる働きのあるグリシンです。
グリシンは、全身に存在するアミノ酸の一種。体内時計に作用して、睡眠のリズムを整えてくれます。

避けておく方が良い食習慣5箇条

気持ちが高ぶって眠れなくなることがあります。

①食べてすぐ眠るのは NG です

食事をしてお腹がふくれると、眠くなります。これは、「満腹ホルモン」と呼ばれるレプチンなどの働きによるものです。
また、昼食後の眠気は、生体リズムによる眠気のピークが午後2~4時頃にあることも影響しています。

しかし、夕食後すぐに眠ると、夜の睡眠の質が悪くなります。胃腸が盛んに働いているあいだは、深く眠れないからです。
理想的には夕食の後、3時間ほどあけてから眠るようにしましょう。そのころには消化も一段落して、眠りやすくなります。

夜遅くまで仕事をしていて、眠る直前にやっと夕食をとっている人は、「分食」がお勧めです。
夕方にパンやおにぎりなどを少し食べておいて、深夜の食事量を減らす方法です。こうするとグッスリ眠りやすく、翌朝の胃もたれも軽くなります。

②夕食に消化が悪いものは禁!

夜、眠るまでに3時間以上の余裕があるときでも、消化が悪いものを食べるのは避けましょう。

胃で食べ物が消化されて腸へ送られるまでの時間を、「胃内停滞時間」といいます。
食べ物100グラム当たりの胃内停滞時間は、果物が1~1.5時間、野菜は2~2.5時間、ご飯やパン、メン類で2.5~3時間です。
一方、揚げ物やステーキは、胃の中に4時間以上も残ってしまいます。

日本人は、夜にごちそうを食べる習慣があります。
しかし、質の良い睡眠を求めるなら、夕食は消化の良い炭水化物を中心として、タンパク質や脂肪分は少なめにすることが勧められます。

③夜食にインスタント食品は最悪!

夕食を食べた後でも、遅い時刻まで起きているとお腹がすいてきます。
そんなとき、魅力的に見えるのが、インスタント食品やスナック菓子です。手軽に食べられて美味しいので、ちょっと小腹がすいたときには便利です。

しかし、ここに落とし穴があります。インスタント食品やスナック菓子、レトルト食品、練り製品を食べたり、清涼飲料水を飲んだりすると、気持ちが高ぶって眠れなくなることがあるのです。

これらの食品には、変質を防ぐために「リン酸塩」が多く含まれています。リン酸塩は、亜鉛の吸収を妨げ、カルシウムの排泄を増やします。亜鉛やカルシウムが不足すると、気持ちが安定せず、イライラしたり落ち込んだりします。その結果、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりし、睡眠の質が悪くなったりするのです。

④寝酒は快眠の敵

寝酒は日本だけでなく、欧米などでも親しまれています。眠れないときに、日本人の2~3割が寝酒を飲んでいます。これは、睡眠薬を飲む人よりも多く、世界的に見ても高い割合です。

アルコールを飲むと、寝つきが良くなるのは確かです。しかし、睡眠の質は悪くなります。時間とともにアルコールが分解されて、血液中のアルコールの濃度が低くなると、覚醒効果が現れるからです。

また、アルコールは睡眠中の尿の量を増やします。そのため、トイレに行きたくなって目が覚めやすく、睡眠がこま切れになってしまいます。さらに、眠るためにアルコールを飲んでいると、だんだんお酒に強くなって飲む量が増え、アルコール依存症になる危険もあります。

⑤隠れカフェインに要注意

眠る前には、コーヒーやお茶を飲まないようにしている人がいます。これらに含まれているカフェインが、寝つきを悪くすることを知っているからです。カフェインは、脳の中にたまってきた「睡眠物質」の働きをブロックして、眠気を感じなくさせる働きがあります。

ちょっと小腹がすいたときにチョコレートを食べたり、寒い時期にホットココアを飲んだりしていませんか? これらのカカオ豆からできた飲食物にも、カフェインが含まれているので、夜遅くは控えたほうが無難でしょう。

また、眠る前に今日の疲れをとろうと思って飲む栄養ドリンクにも、注意が必要です。栄養ドリンクには覚醒度を高めるために、カフェインが入っているものが多いからです。就寝前に飲むなら、カフェインレスの栄養ドリンクを選んでください。

意外な裏ワザとして、昼寝の直前にコーヒーを飲むという方法がある。飲んでから20~30分後にカフェインの効果が表れるので、すっきり目が覚める。

「20分間の昼寝をした後の眠気」は「洗顔」や「光を浴びる」ことでも取れたが、「昼寝直前にコーヒーを飲む」のが最も効果が高いです。

睡眠時間は長ければ良いということでもない?!

睡眠時間は長くても短くても健康を損なうリスクを高めます。睡眠時間と死亡リスクの間には、U字カーブがみられました。

睡眠不足の蓄積が、がん、糖尿病や高血圧などの生活習慣病、うつ病などの精神疾患、認知症など、さまざまな疾病の発症リスクを高めることが、各方面の研究結果から明らかになってきております。しかし、単に睡眠時間が長ければ良いというわけでもないようです。

米国の大規模調査では睡眠時間が7時間の人が最も死亡率が低く長寿でした。短い睡眠が健康にとってリスクというのは理解できるかもしれませんが、8時間を超える睡眠時間の人は死亡リスクが上昇するという結果がでています。

年齢によって睡眠が変化?!

実際に睡眠時間を調べた数々の論文をまとめたデータによると、夜間の睡眠時間は10歳までは8~9時間、15歳で約8時間、25歳で約7時間、45歳で約6.5時間、65歳で約6時間と、加齢とともに必要な睡眠時間が少なくなるということが報告されています。よく加齢によって昔ほど長時間眠れなくなったという悩みを聞きますが、実は加齢に伴い必要とする睡眠時間が少なくなっているというのが事実のようです。成人の場合、個人差はあるものの6~7時間前後の睡眠時間が目安です。

また、高齢者では若い頃にくらべて早寝早起きになるようです。これは体内時計の加齢変化によるもので、睡眠だけではなく、血圧・体温・ホルモン分泌など睡眠を支える多くの生体機能リズムが前倒しになります。

さらに、加齢とともに睡眠も浅くなるようです。睡眠脳波を調べてみると、深いノンレム睡眠が減って浅いノンレム睡眠が増えるようになります。そのため尿意やちょっとした物音などでも何度も目が覚めてしまうようになります。よく若いころの睡眠に比べてよく眠れなくなったということを経験するかもしれませんが、実は加齢に伴い体に必要な睡眠が変化してきているのです。

季節によっても睡眠時間は変化?

個人の睡眠時間は季節によっても変化することが分かっています。秋から冬にかけて日が短くなるときに睡眠時間は長くなり、春から夏にかけて短くなることからも日照時間と深く関わっていることがうかがえます。最も日の短い12月から1月に睡眠は長くなりやすく、6月から7月の初夏に最も短くなることが分かっています。

朝型、夜型は生まれつき

朝が得意か苦手かは体内時計の機能に関係した遺伝子の多様性、つまり生まれつきの体質であるということが明らかになってきました。朝が苦手かどうかについては、その人のやる気や性格と関連して受け止められがちですが、性格との関連性は明らかにされていません。一般的に若い人は朝が苦手ですが、それが年をとると少しずつ解消されてきます。これは加齢による睡眠調節の老化が原因であるということもわかってきました。

このように同じ人でも睡眠時間は季節や年齢によって変動するので、あまり睡眠時間の長短にはこだわらなくても良さそうです。また、睡眠時間は個人差もあり、5時間未満の短時間の睡眠で大丈夫な人から、成人でも10時間以上の睡眠を必要とする人までさまざまです。

睡眠は身体が必要としている時間以上の睡眠をとることは不可能と言われており、睡眠時間にこだわり過ぎるとかえって睡眠が浅くなったり、不眠に陥ることが多いようです。

睡眠で大事なことは睡眠時間の確保と体内リズムを整えること

睡眠でまず大事になるのは睡眠時間をきちんと確保することです。日中眠くなることが多かったり、仕事や学校のない休日に朝遅くまで寝てしまっている場合は、日ごろ睡眠時間が足りないというサインになります。

知らず知らずのうちに睡眠負債がたまっているのです。睡眠時間を確保することは私たちの健康にとってとても重要なことです。睡眠不足だと風邪をひきやすくなったり、高血圧や糖尿病の要因にもなりうることが報告されています。

生活リズムを整える

また、記憶力や感情、パフォーマンスにも大きな影響をもたらすことも報告されており、睡眠不足による経済損失は膨大なものになるといわれています。必要な睡眠時間を確保することはとても大事なことなのです。

実は睡眠不足以外にも無視できない問題があります。それは体内リズムが乱れてしまうことです。海外旅行と言わないまでも、夜更かしや朝寝坊などによって私たちの体内リズムは簡単に乱れてしまいます。体内リズムが乱れてしまうと寝たいときに眠れなくなったり、睡眠時間が十分なはずなのに目覚めが悪くなってしまったりと、良い睡眠が得られにくくなります。

体内リズムの乱れもまた肥満といった生活習慣病や、日中の疲労感、パフォーマンスにも関わっているということが報告されています。毎朝同じ時間に太陽の光を浴びること、朝食をしっかり食べること、夜に強い光を浴びないといったことが体内リズムを整えるうえで重要になります。

睡眠には「脳や身体の休養」「疲労回復」「免疫機能の増加」「記憶の固定」「感情整理」など多くの重要な役割があります。
うまく睡眠不足を解消しながら、体内リズムをコントロールして、生き生きとした毎日を過ごしましょう!

睡眠不足は生活習慣病の温床

睡眠不足は脳から全身へとつながるホルモン分泌系統に異常をきたします。そのため、ストレスホルモンである「コルチゾール」や交感神経の緊張によって分泌される「カテコラミン」といったホルモンが増加します。すると、インスリンが効きにくくなり血糖値が下がりにくくなり糖尿病になりやすくなります。

また、健康な人が一晩徹夜すると血圧は約10mm/Hgほど上昇するとされています。さらに、なかなか寝付きが悪い人(入眠困難)や途中で起きてしまう人(中途覚醒)はそうでない人と比べて高血圧になる危険は約2倍と報告されています。このことから、睡眠障害が年齢、アルコール摂取量、喫煙習慣、肥満、ストレスと並んで高血圧発症の危険因子であると考えられています。高血圧自体は無症状ですが、これは死につながる恐れのある心臓病や脳卒中を引き起こす大きなリスクとなります。それゆえ、睡眠不足を軽視してはいけません。

免疫機能が低下する

ヒトは本来、感染症やその他の病気から身体を守るために、眠ることで病原菌と戦う免疫細胞を産生・増加させる、といった生体防御反応を持っています。事実、ヒトを対象にした実験では、睡眠時間が6時間以下では7時間以上の人と比較して感染症を4倍の差で発症したことが示されています。

例えば、風邪を引いたときや花粉症で眠くなる経験はないでしょうか?それは免疫細胞を増やすための体の防御反応の結果として生じているものなのですね。十分な睡眠が取れないと、一晩のうちに免疫システムは低下し、より感染症にかかるリスクが増大します。

肥満になりやすくなる

睡眠不足は、様々な要因から肥満になりやすい体質となります。

・代謝効率が落ちる:エネルギー代謝効率が悪くなり体重増加を引き起こす原因となります。
もちろん、ダイエットを行なっている人は体重が落ちにくくなります。

・生活習慣が不規則になる:睡眠時間が不規則になることによって、朝の欠食や運動不足、1日のカロリー摂取バランスが偏るなど、生活習慣にも影響を及ぼします。カロリーは摂取量や栄養素取りすぎだけでなく、その摂取時刻が肥満のリスクになることが複数の研究から明らかにされています。

・嗜好が変わる:太りやすい食べ物を欲するようになります。短い睡眠時間自体が、油っぽい物、しょっぱい物、甘い物、高カロリー食品、炭水化物に対する欲求を抑えきれなくなることがわかっています。

・食欲が亢進する:ごく短期間の睡眠不足によって食欲を抑えるホルモンである「レプチン」濃度が低下し、代わりに食欲更新ホルモンである「グレリン」濃度が上昇し食欲の増大が生じることがわかっています。

脳の老化・認知機能の障害

睡眠が記憶の固定や増強に大きな役割を持っていることは良く知られています。学業成績と睡眠習慣の関係についての調査によると、就寝時刻の遅い子供や睡眠時間の短い子供ほど学業成績が悪いと報告されています。6時間睡眠と7時間睡眠では、2倍も脳が老化します。休日の寝だめも脳に悪い影響を与えて危険です。

また、睡眠時間が短いと脳の老化が目に見えて早くなると報告されています。
その研究によると、睡眠時間が1時間短くなると、脳にできる隙間が1年毎に0.59%拡大し、脳が縮んでいくことが判明しました。それに伴い、認知機能は1年ごとに0.67%低下するとしています。

さらに、睡眠不足や睡眠の質が低いと、判断能力が低下するリスクが50%高まることがわかっています。判断能力が落ちると、計画能力、意思決定能力、問題解決能力、抽象的思考能力が落ちます。アメリカでは、CEOなど企業役員が睡眠に重きを置いていることは良く知られている事実ですが、この事実が裏付けとなっています。

ウェルネス(健康感)や生活の質の低下

睡眠時間が生活の質や健康感の重要な指標になりうることも示されています。慢性的に不眠に悩む人の多くは、筋肉痛や頭痛、消化器症状、日中の不調感などの心身の不定愁訴が多いことが報告されています。それゆえ、慢性的な不眠を訴える人の多くが眠れないという苦しさに加えて、身体的あるいは精神的な随伴症状による苦痛を伴っていて生活の質が大きく損なわれることがあります。

さらに、睡眠不足や睡眠の質が低下すると、健康観の偏りから健康的な行動を維持することが難しくなることが報告されています。特に、これは職場環境や仕事と密接に関係しており、近年の病気予防や健康増進の比重は、個人だけでなく企業の責任も大きいと考えられる傾向にあります。